皆さま、こんにちは。
作業療法士のSです。
今回は当ホームで継続して行っている『朝のラジオ体操』についてご紹介いたします。


■　夏の朝、中庭でスタート！

当ホームでは、夏休みの始まりにあわせて、中庭でのラジオ体操をスタートしました。
朝の爽やかな空気に包まれながら、身体を動かすことで一日が気持ちよく始まります。

ラジオ体操は、誰もが一度は経験したことのあるなじみ深い運動です。
軽い運動を行うことで日中のリズムを整え、夜間の眠りを深める効果が期待できます。
また、太陽の光や外気に触れることで、季節や時間の感覚を自然に戻すきっかけにもなります。

■　体操後の小さな“ご褒美”

体操を終えた後は、ケアスタッフ手作りの「体操カード」にスタンプを押していきます。
スタンプが増えていくのが楽しみで、「今日も頑張ろう！」という気持ちにつながっている方も多くいらっしゃいます。

終了後には、ライフマネージャーからお飲み物のサービスも。
鳥の声や風の音を感じながら、しばしの休息を楽しまれるご入居者の姿もみられます。
朝のひとときが、その日の活力を生む時間となっています。


■　データで見る！ラジオ体操の効果

では実際に、ラジオ体操が夜の睡眠にどのような影響を与えているのかについて、継続して参加されている90代のご入居者を例にみてみましょう。

下のグラフは、センシングシステム「ライフリズムナビ®+Dr.」で測定したデータです。
赤い枠で囲まれた部分が、ラジオ体操に参加された日の夜の数値です。

・疲労回復度：平均77.1点（未参加日：69.3点）
・快眠指数　：平均92点 （未参加日：78.1点）

どちらの項目も、参加日には明らかな上昇がみられました。
このことから、朝の軽い運動が夜の質の高い睡眠につながっていることがうかがえます。

またこの方は、夜間の歩行が減少し「もう秋ですか？」と季節の移ろいに気づくようになるなど、時間や季節の感覚（見当識）の改善もみられています。

■　継続が生む笑顔

ラジオ体操を始めて約３か月。
これまでの頑張りを称えて、参加された皆さまへ『賞状』をお渡ししました。
「あら、賞状なんて何年ぶりでしょう！」
「これ作ったの？ありがとう！」
そんなお言葉とともに、満面の笑みで受け取ってくださる姿が印象的でした。

私たち作業療法士にとっても、ご入居者の笑顔が何よりの励みです。
これからも、質の良い睡眠と日中の活力を生む暮らしを目指して、多職種で連携しながら取り組んでまいります。

※「ライフリズムナビ®」はエコナビスタ株式会社の登録商標です。