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コラム

2025/10/29

リハビリの極意partⅣ ~作業療法士の視点~

皆さま、こんにちは。
いつもソナーレ祖師ヶ谷大蔵のブログをご覧いただきありがとうございます。
作業療法士のTです。

シリーズでお届けしております「リハビリの極意」。
第4回は『目標設定の大切さ』についてお伝えいたします。

日々のリハビリのなかでも、歩行訓練はとても重要な時間。
ですが、今夏は暑さが長引き、さらには突然の雨も多く、なかなか外に出られない日が続きました。

10月に入り、澄み渡る空のもと、心地よい季節が戻ってきたころ―。
ようやく、外での歩行訓練が再会できるようになりました。

外に出ると、風の涼しさや街路樹の色づき、街ゆく人々の服装の変化など、五感で季節を感じられます。
それこそが屋外リハビリの大きな魅力。
さらに、地面の傾斜や段差などが適度な負荷を与え、同じ内容を室内で行った時と比較して、より高い効果が期待できます。

今回ご紹介するのは、ご入居者のM様。
久しぶりの屋外歩行に、少し緊張されたご様子でした。

「どこまで行くの?」
と、不安そうにお尋ねになるM様に、私がこうお声がけしました。
「今日は駅前まで行ってみましょう。この街のおすすめスポットをぜひ見ていただきたくて」
すると―。
「そうなの?じゃあ早く行きましょうよ!」

一気に笑顔が戻り、足取りも軽くなりました。
目標がはっきりすることで、気持ちが前向きになる。
まさに“目標設定”の威力です。

到着した祖師ヶ谷大蔵駅前では、街のシンボルである“正義のヒーロー”が出迎えてくれました。

M様は嬉しそうに記念撮影。
少し疲れたご様子もありましたが、帰り道でも会話が途切れることなく、始終笑顔のままお戻りになりました。

「今日はありがとう!また連れて行ってね」
満面の笑みでのこのひと言に、私も胸が熱くなりました。

しっかりと歩行練習を行うことはもちろん大切ですが、『自分の足で、行きたい場所へ行く』という想いこそ、リハビリの原動力。
その願いを支えることが、私たち作業療法士の役割だと感じています。

これからも、お一人おひとりの目標に寄り添いながら、前向きな気持ちで取り組めるようなリハビリを着実に実践してまいります。

次回もお楽しみに!