2025/07/18
リハビリの極意~作業療法士の視点~
皆さま、こんにちは。
いつもソナーレ祖師ヶ谷大蔵のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
作業療法士のTです。
今回は、私が日々どのようにリハビリサービスを提供しているかについて、あるご入居者の取り組みを通じてご紹介いたします。
ご登場いただくのはY様。
普段、お部屋の中では車いすでお過ごしですが、お食事やアクティビティの際には、歩行器を使ってグランドダイニングまで歩いて来られます。
スタッフがそばで見守るなか、ご自身の力で一歩ずつ、しっかりと歩かれているのです。
実は、Y様には数か月前に骨折で手術を受けられたご経験があります。
術後はリハビリに加えて、居室での自主トレーニングにも積極的に取り組まれ、その努力の成果として、現在では再び歩行器で安定して歩けるまでに回復されました。
そして今、次の目標は『杖での歩行』です。
杖歩行は、歩行器に比べて床との接地面が小さくなるため、バランスを取るのが難しくなります。
そのぶん、体幹や脚の筋肉をしっかり使う必要があり、体力づくりとしての効果も大いに期待できます。
しかし、それだけではありません。
「一段難しいことに挑戦する」という経験は、成功したときの達成感につながりますし、取り組む意欲や自信にもつながっていきます。
心と身体、どちらにとっても大きな意味のある一歩なのです。
杖を使って歩けるようになると、行ける場所、できることの選択肢も増えていきます。
そうした広がりが、“Life Focus”—その方らしい生活—の実現にもつながっていくのです。
私たち作業療法士が大切にしているのは、小さな挑戦の積み重ね。
そうした一歩一歩が、日々の暮らしのなかに、新しい楽しみや意欲を生み出していくと感じています。
リハビリは、ただ身体の機能を維持・改善するだけではありません。
できることが増えることで、心が弾み、笑顔がこぼれる。
そんな瞬間を大切にしたいと考えています。
その方らしいペースで、一歩ずつ前へ。
その姿勢を、私たちは支えているのです。
今回のご紹介を通じて、私たちがどのような視点でリハビリを行っているか、少しでも伝わりましたら嬉しく思います。
今後も本ブログをとおして、さまざまなリハビリの取り組みをご紹介してまいります。
どうぞお楽しみに!