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ソナーレ・アテリア久我山の
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ご夫婦の思い出の場所へ~バラの香りに魅せられて~

あじさいが色づき始める今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
作業療法士のOです。

先日、“Life Focus”活動の一環として、ご入居者を神代植物公園のバラフェスタにご案内しました。
今回、ご一緒したのはご夫婦で入居されているM様、そしてS様のお三方。
以前から足しげく通っていらしたというこの公園は、皆さまにとって『思い出の場所』。
久しぶりの来訪となるこの日を、とても楽しみにしてくださっていました。

訪れたバラ園は、今、まさに見ごろ。
一歩足を踏み入れた瞬間、目の前に広がったのは、色とりどりのバラが咲き乱れる、まるで楽園のような風景でした。
特に目の覚めるような発色の赤いバラが、初夏の陽射しを浴びて輝く姿は息をのむ美しさ。
芳醇な香りとともに、感動の渦へと惹き込まれました。

「ここはよくふたりで来たんだよ」
「やっぱり赤いバラがいいね」
目を細めながら、しみじみとおっしゃるM様ご主人。
名曲『バラが咲いた』を口ずさみながら、幸せそうな笑顔をあふれさせていらっしゃいます。

園内散策の合間にひと休み。
名物『バラソフト』を召し上がりました。
豊かなバラの香りがお口いっぱいに広がります。
「美味しいよ。〇〇子(奥様)も食べられてよかったねぇ」
いつも奥様を気遣い、優しく話しかけるご主人。
ほのぼのとしたご様子を拝見し、ご案内できてよかった、と思わず胸が熱くなりました。

一方S様は、バラのアーチの中でちょっぴりお姫様気分を味わっていらっしゃいます。
「以前はよく主人と来てたのよ。5年ぶりかしら…。懐かしいわ」
「あの屋根のある休憩所でお弁当を食べたのよ」
と、遠い日に思いを馳せながら、感慨深い表情でおっしゃいました。

広い園内。
前半は車椅子で移動されることで体力を温存し、後半は歩いてバラ園散策をお楽しみいただきました。
「連れてきてもらって本当に良かったわ!ありがとうございます」
と、満ち足りた笑顔をお見せくださいました。

今回、皆さまの『思い出の場所』として訪ねたバラ園。
変わらない風景の中に、それぞの記憶が深く息づいているようでした。
ご一緒させていただいた私は、ほんの一部ですが、皆さまの歩まれてきた人生や大切にされてきた瞬間に触れさせていただいたことで、お一人おひとりへの理解がより一層深まったように感じています。

これからも作業療法士として、お身体や心の状態などを踏まえながら、その方が日々の暮らしの中で『ご自分らしさ』を取り戻し、保ち続けられるようサポートするとともに、新たな思い出をともに紡いでまいりたい、そんな想いが胸に残る一日となりました。

最後までお読みいただきいただきありがとうございました。