2026/06/22
"LifeFocus"を形にする取り組み ~記憶のレシピが、ふたたび動き出す日~
皆さま、こんにちは。
ライフマネージャーのMです。
当ホームでは、“Life Focus”の実現に向けて、ご入居者お一人おひとりが大切にしてこられた習慣や楽しみを、日々の暮らしの中でも続けていただけるよう取り組んでいます。
今回は、久しぶりのケーキ作りに挑戦された、T様のエピソードをご紹介いたします。
ご入居前、ご自宅でケーキ作りやお料理を楽しまれていたT様。
90歳頃まで続けていらしたそうで、ご自宅には今も手書きのレシピやお菓子作りの本が大切に残されています。
一方で現在は右手に軽度の麻痺があり、「手の自由がきかないから」と、お料理のご提案を見送られることもありました。
そんなT様に、同じくお菓子作りを趣味とするPA(パーソナルアシスタント:ご入居者個別担当スタッフ)が、改めてお声がけしました。
「私もサポートしますので、ご一緒にケーキを作りませんか?出来上がったら、皆さまにも召し上がっていただきましょう!」
するとT様は、
「それなら作ってみようかしら?まだ家にレシピがあると思う」
と応じてくださり、久しぶりのケーキ作りが実現することとなりました。
当日は、ご家族が持ってきてくださったレシピ本を見ながら調理を開始。
「久しぶりだからできるかしら…」と、少し不安そうなご様子も見られましたが、スタッフはボウルを押さえたり、ハンドミキサーを軽く支えたりと、さりげなくサポートする程度です。
粉をふるい、生地を混ぜ、型へ流し込む──
一つひとつの工程を、ご自身の手で丁寧に進めていかれました。
やがてオーブンから、ふんわりと焼き上がったケーキが登場。
お皿に美しく盛り付け、お誘いしていたご入居者の皆さまとご一緒に召し上がりました。
「これ、あなたが作ったの?」
「すごいわねぇ!」
「とてもおいしいわよ」
次々と寄せられる言葉に、T様の表情も自然とほころびます。
ご自身でもケーキを召し上がりながら、
「おいしい!先生が手伝ってくれたからね」
と謙遜されていましたが、その笑顔には確かな達成感があふれていました。
後日、「次に作るとしたら、何を作ってみたいですか」とうかがうと、
「そうね、餃子もいいわね。皮もこねて手作りしていたのよ」
と、新たな楽しみのお話も聞かせてくださいました。
一度は難しいと思われていたお菓子作りが実現したことで、次の目標へとつながっていきます。
これからも“Life Focus”の取り組みをとおして、その方らしさを大切にしながら、ご自身の力を発揮できる機会や、人とのつながりを感じられる場を広げてまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。