2025/11/06
電車で行く動物園への小さな旅
皆さま、こんにちは。
ライフマネージャーのYです。
今回は、“Life Focus”の日を活用し、動物が大好きなご入居者の「動物園に行きたい」というご希望を叶えた様子をご紹介いたします。
普段外出の際はホームの送迎車を利用することが多いですが、今回はあえて電車での移動といたしました。
まずは、車いすで浦和駅まで向かいます。
街路樹や道行く人々の服装に、季節の移ろいを感じました。
車でさっと走ってしまったら、気に留めないことも多い小さな変化に、心がときめきます。
駅の改札を抜けて、いざ電車に乗って出発!
「今日はどんな動物に合えるかしら」
そんな会話を交わしながら、車内でも笑顔が絶えません。
電車での外出は、体調の変化や混雑による不安など、さまざまなリスクを伴うため、実施が難しいことも多い活動です。
しかし、この日はご入居者とスタッフの信頼関係がしっかり築かれていたことで、安心して実行することができました。
車窓を流れる景色を楽しむうちに、あっという間に上野駅に到着。
目的地である『上野動物園』へは、公園の大きな木々を眺めながら、のんびりと向かいました。
動物園に到着すると、艶やかな色合いのフラミンゴや大きなゾウ、優雅に首を伸ばすキリンなど、たくさんの動物たちがお出迎え。
「あら、あの鳥きれいね」
「なんて大きな口!」
「こちらは親子でお昼寝中ですかね…」
と、興味津々。
右に、左にと動物たちを観察しながら、ご入居者のペースで園内をめぐりました。
お土産屋さんでは、パンダのキーホルダーを手に取り、「これにしよう」と嬉しそうに選ばれる姿も見られました。
帰りの電車では疲れからか少し不安な様子もありましたが、スタッフの取り出したスマートフォンで動画や写真をみながら気持ちを落ち着け、安心して乗車を続けることができました。
こうして、無事ホームに到着。
「お帰りなさい!」
とスタッフたちに迎えられて、小さな旅は終了しました。
この取り組みをとおして、改めて「電車に乗る」という何気ない行動が、ご入居者にとっては大きな挑戦であることを感じました。
しかし、「疲れたけど、楽しかったわ。久しぶりに電車にも乗れたし」と、お見せくださった満足そうな笑顔には、“当たり前のことができた喜び”がにじんでいました。
今回のように送迎車ではなく電車を利用することで、社会とのつながりを実感したり、在宅時代の感覚を思い出したり、さらにはちょっとした旅行気分を味わえたりと、多様なメリットをお楽しみいただくことができました。
これからも、ご入居前の暮らしで大切にされてきた時間や想いを大切にしながら、その方らしい日々をお過ごしいただけるよう努めてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。