2026/09/06
生活をコーディネートする作業療法士の仕事 ~前編~
皆さま、こんにちは!
作業療法士のKです。
私たち作業療法士(occupational therapist:OT)は、ご入居者の“Life Focus”の実現に向けて、お身体の状態に合わせたリハビリプログラムの実施をはじめ、日々の暮らしを幅広くサポートしています。
「作業療法士という名前は聞いたことがあるけれど、どんな仕事をするの?」
そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、前編・後編の2回にわたり、作業療法士の仕事をご紹介します。
前編では「作業療法とは何か」を、後編では当ホームで働く作業療法士の1日に密着し、実際の仕事内容をお伝えします。
◆「作業療法」の“作業”とは?
作業療法でいう「作業」とは、仕事や手作業だけを指すものではありません。
食事や入浴などの身の回りのことから、家事、仕事、趣味、地域での活動まで、私たちが日々の暮らしの中で行っているさまざまな活動を「作業」と捉えています。
日本作業療法士協会も、「作業」をその人にとって目的や価値を持つ生活行為として位置づけています。
そして作業療法では、基本的な身体機能から、食事や着替えなど日常生活に必要な動作、さらに趣味や地域活動など社会とのつながりに関わる活動まで、その方の状態や希望に応じて支援します。
大切なのは、単に「できること」を増やすことだけではありません。
その方がこれまで大切にしてきたことや、これからやってみたいことにも目を向け、その方らしい暮らしにつなげていくことです。
※上記3点の図は、日本作業療法士協会「作業療法とは」および厚生労働省「ICF(国際生活機能分類)―『生きることの全体像』についての『共通言語』―」などの公開資料を参考に、当ホームの作業療法士が独自に作成したものです。
また、専門的な表現になりますが、世界作業療法士連盟(WFOT)では、作業療法を次のように定義しています。
Occupational therapy promotes health and wellbeing by supporting participation in meaningful occupations that people want, need, or are expected to do.
「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されている意味ある作業への参加を支援する。」
※出典:世界作業療法士連盟(WFOT)「作業療法の定義」(2025年改定)/日本作業療法士協会公式和訳
難しく感じられるかもしれませんが、私自身は、「その方が自分らしく、大切にしていることを続けていけるよう支える」ことが、作業療法士の仕事だと考えています。
病気やけが、加齢などによって、それまで当たり前にできていたことが難しくなることもあります。
そんなとき、身体の機能だけを見るのではなく、方法を工夫したり、福祉用具を活用したり、生活する環境を整えたりしながら、「どうすればできるか」をご本人と一緒に考えていきます。
大切にしたいことは、お一人おひとり異なります。
これまで歩んでこられた人生や生活習慣、趣味、価値観などを知り、その方にとって意味のある「作業」を大切にすること。
それが、作業療法士として“Life Focus”の実現に関わるうえでも大切な視点だと考えています。
次回の後編では、当ホームで働く作業療法士の1日に密着。
実際にどのような場面でご入居者の生活に関わっているのかをご紹介します。