2025/06/06
好物は、心の栄養 〜再びのカニ専門店で見せた笑み〜
皆様こんにちは。
ライフマネージャーのYです。
今回は、以前のブログで、当ホームの“Life Focus”取り組み事例としてご紹介した(食欲不振に効く好物の力 ~ご入居者のお好みを生かした食支援~)ケースの続編をお届けいたします。
食欲不振が続き、その解決策としてS様の大好物であり、ご家族とよく訪れたという「カニ専門店」へご案内したところ、周囲を驚かせるほど召し上がり、これを契機に食欲を取り戻された、という経緯がありました。
ところが最近になって、また少しずつお食事の量が減ってきてしまったS様。
これを懸念したスタッフは多職種が集まるカンファレンスにて、その解決策について話し合いました。
「もう一度、あのような笑顔を拝見したい」
栄養面はもちろん、奥様の“楽しみ”や“ときめき”にも焦点を当てながら、再びの食支援を検討しました。
ご本人のお気持ちを伺うと、返ってきたのは前回と同じ。
「またカニが食べたいわ」
このひと言に背中を押されるように、私たちはご家族にご相談し、再び、思い出のカニ料理専門店を訪れる運びとなりました。
当日は、前回同様にご家族もご一緒くださいました。
テーブルに並ぶ新鮮なカニ料理を前に、奥様の表情がふっと明るくなります。
その瞳はキラキラと輝き、お箸を持つ手も軽やかに―。
「これ、美味しいわね」
その様子は、このところの食欲不振がまるで嘘のようで、ご家族もスタッフも、ただただ驚きと喜びの気持ちでいっぱいでした。
楽しい会話とともに、笑みがこぼれる食卓。
この日もまた、ご本人の「好き」が、栄養と元気を運んできてくれたようでした。
“Life Focus”とは、その方らしい暮らしの実現。
私たちはこれからも、ご入居者お一人おひとりの「好み」や「想い」に丁寧に寄り添いながら、日々のケアを紡いでまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。