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ソナーレ浦和の
スタッフブログ
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"Weaving Everyday Life" ep.4 ~心を洗う写経~

皆さま、こんにちは。
ライフマネージャーの宮本です。

今回のブログではご入居者の日常のひとコマをご紹介いたします。
現代はストレス社会ともいわれており、ゆったりとした気持ちで生活することが難しくなっています。
そのような状況のなかで、近年『写経』がブームとなってきているそうです。
そもそも写経は、般若心経などの経典を書写することで教えを学び、功徳を積む修行。
しかし、筆を持つ機会が少なくなった現代では、ただひたすらひと字、ひと字を丁寧に書く時間は、日常のストレスや不安から解放され、リラックスした状態を得ることができます。
また、集中力を高め、正しい姿勢を維持することで身体のバランスが適度に保たれ、自然治癒力が向上するともいわれています。
さらに最近の研究では、写経は認知症の予防や改善策として、 脳を活性化させるのに効果が高いことも判ってきています。
こうしたさまざまなメリットが、多くの人々の心をとらえているようです。

当ホームでも、写経を日課として長く続けられているご入居者、K様がいらっしゃいます。
教師として国語や書道を教えてこられた方で、かなりの能筆家。
ホームの書道の時間でも、ご入居者やスタッフに教えてくださることもあります。

K様に写経の楽しさをおうかがいすると、
「そうね、とにかく楽しいのよ」
「あなたもやってみたらわかるわよ」
とのこと。
そこで、私も教えていただきながら、挑戦してみることに。

慣れない筆ペンの書き心地に苦戦しつつ、K様に読みあげていただいた箇所を写していきます。
ひと文字、ひと文字、丁寧に。細かなところも、K様は一切妥協されません。
「ここはちゃんと跳ねて」「そこは止めるのよ」「違うわよ~」
と、現役時代を彷彿とさせる、厳しいご指導をいただきました。

いかがでしたか?
もともと先生でいらしたK様は、ホームで写経や書道をされる今も、人々を教え導くような姿勢で楽しんでいらっしゃいます。
その姿に、教えることを通じて学びや喜びを共有することを大切にされている様子がうかがえます。
このため、私にも「一緒にやらない?」とお誘いくださるのだと思います。

ライフマネージャーの楽しさ、役得とでも申しましょうか。
皆さまの“その方らしい”暮らしのサポートをさせていただくなかで、自分自身も多くを学ばせていただいております。
お一人おひとりのこれまでの人生に触れるとき、きっと、その方に関わらなければ知ることができなかった世界を教えていただくことも多々あります。

皆さまにとっては、何気ない日常の一部でも、私たちにとってはその方らしさを象徴する、大変貴重なものに映ります。
そのままの日常を、いつまでも続けていただけるように、この先もずっとお支えしてまいりたい。
写経に取り組むK様の横顔を拝見しながら、そう強く感じました。

次回もお楽しみに!