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心の具現化「アートセラピー」の世界 vol.3

皆さま、こんにちは。
作業療法士(OT)のSです。

シリーズでお伝えしている「アートセラピーの世界」
先日、半年間をかけて取り組んできた名画の模写「星月夜(ほしづきよ)」がついに完成を迎えました。
そこで今回は、製作の裏側を少しだけQ&A形式でご紹介いたします。

Q. どのように作られていくんですか?
 塗り絵のような下絵があるのでしょうか?

A. 実は、まっさらな白いキャンバスから一筆ずつ描き進めていきます。
 見本となる下絵はなく、皆さまが思い描くイメージをもとに色を重ねていくのです。


Q. 油絵の経験がないけれど、大丈夫でしょうか?

A. もちろん大丈夫です。参加者の約95%が絵画未経験の方です。
 スタッフがそばでお手伝いしながら進めますので、安心してご参加いただけます。

Q. 製作にはどのくらいの時間がかかるのですか?

A. 作品によりますが、おおよそ半年ほどかけてじっくり仕上げていきます。
 「半年」と聞くと長く感じるかもしれませんが、ものづくりを楽しむ時間はあっという間。
これまでに5〜6作品を完成され、お部屋いっぱいに飾られている方もいらっしゃいます。


絵を描く時間は、まるで静かなアトリエに通うようなひととき。
穏やかな音楽に包まれながら筆を動かしていると、自然と心が落ち着き、日々のストレスもいつの間にか忘れてしまいます。

完成した作品をお部屋に飾ると、美術館のような雰囲気に。
あるご入居者の素敵なお部屋の様子を、少しご紹介します。

Q. どんな画材を使うのですか?

A. 使用するのは「アクリル絵の具」です。
 アクリルは水で溶ける絵の具ですが、乾くと油絵のような質感になります。 油絵と違って乾きが早く、ドライヤーで乾かしてすぐに次の工程へ進めるため、初心者にも扱いやすい画材です。
さらに、「メディウム」という粘り気のある素材を混ぜることで、立体感のある表現も可能になります。
たとえばアニメーションのように、背景を描いたあとに手前のモチーフを重ねていくイメージです。
重ねて描いても下の色が透けないので、何度でもやり直せるのも魅力のひとつ。

今回完成した「星月夜」は、画家ゴッホが葛飾北斎の「富獄三十六景 神奈川沖浪裏」に影響を受けて描いたといわれる名作。
参加された皆さまは、6月から11月まで半年間をかけて、丁寧に筆を重ねてこられました。

また、別のグループでは「渚の抽象画」に挑戦。
完成した作品を手に、皆さまの笑顔がひときわ輝いていました。

次回作も、また半年かけてじっくりと取り組む予定です。
描くことで心が解きほぐされ、形となってあらわれる「心の具現化」。
次の作品では、どんな想いがキャンバスに表れるのでしょうか?

どうぞお楽しみに!