2025/09/03
自分らしい暮らしへの歩み vol.2 ~My Own Steps~
こんにちは。ライフマネージャーのNです。
前回に続き、長い入院生活を経て少しずつご本人らしい日常を取り戻されたご入居者の様子をお届けいたします。
vol.1では、ベッドから車椅子へ移ることができ、活動範囲が広がり始めた段階をご紹介しました。
今回はその後の歩みをご紹介いたします。

◆ 生活リズムの見直し
上のデータは「ライフリズムナビ®+Dr.」で可視化したある日の生活状況です。
グラフ中央が深夜0時。青い部分が睡眠時間を示しています。
日中は活動的に過ごされ、19時ごろに就寝されている様子が分かります。
着目したのは「就寝後の体動の多さ」(赤く囲った園内の緑色の棒グラフ)でした。
そこで私たちは、夜間にお手洗いに行きたいときに体動が増えるのではないかとの仮説を立て、夜勤スタッフがこのタイミングでお声かけして、トイレへご案内するようにしました。
その結果、ご本人は安心してお手洗いに行くことができ、「無理に起こされずに済む」と、安心感を口にされました。
リハビリの効果もあり、生活全般の改善にもつながりました。
◆ ナイトアクティビティの効果
夜間の睡眠をより良いものとするため、ナイトアクティビティにお誘いしました。
はじめてご参加いただいたのは「足湯」です。
足湯は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があります。
「気持ちいい」「これはいいわね」とのご感想もいただき、表情も和らいでいらっしゃいました。
また、同じフロアの方と一緒に足湯を楽まれる中で会話が弾み、笑顔が広がりました。
自然と就寝時間が後ろにずれるようになり、ご入院前の生活に近いリズムが戻り始めたのです。
◆ 社交の広がり
ナイトアクティビティをきっかけに、ほかのご入居者からお声がけいただく機会が増えました。
その後は麻雀を一緒に楽しんだり、談笑したりする場面も見られるようになり、交流の輪が広がっていきました。
ホームでの生活に社会性が加わり、笑顔の時間が一段と増えていきました。
◆ 「歩きたい」という意欲
次の変化は「歩けるようになりたい」という強いお気持ちの表れでした。
作業療法士と歩行練習を始めると、1日1回では物足りず、「歩行サークルを持ってきてください」とスタッフに声をかけ、何度も練習される姿が見られるようになりました。
ホームでの生活に社会性が加わり、笑顔の時間が一段と増えていきました。

◆ データに表れる変化
再びライフリズムナビで生活を確認すると(上のデータ)、日中のアクティビティと交流によって夜は深く休まれ、体動は減少。お手洗いも安全に済ませられるようになっていました。
ご家族やお孫さま、ひ孫さまが来館された際には一緒にアクティビティを楽しみ、ホームの雰囲気を明るく彩ってくださいました。今ではほかのご入居者からもご家族の来訪が楽しみにされるほど、人気者となっています。
◆ まとめ
こうして、ご本人は少しずつ本来のライフスタイルを取り戻されました。
ナイトアクティビティやリハビリ、そしてご家族や仲間との交流が大きな力となり、笑顔に満ちた毎日へとつながっています。
これからも、私たちはお一人おひとりのご希望を大切にしながら、“その方らしい生活”の実現を目指して取り組んでまいります。
※「ライフリズムナビ®」はエコナビスタ株式会社の登録商標です。