2025/09/01
自分らしい暮らしへの歩み vol.1 ~My Own Steps~
こんにちは。ライフマネージャーのKです。
当ホームには、長い入院生活を経て、少しずつご本人らしいライフスタイルを取り戻されたあるご入居者がいらっしゃいます。
その歩みを、今回からシリーズでご紹介してまいります。
◆ 環境が与える大きな影響
治療を終えて病院から退院される時、多くの方は「これからどのように生活していけるのか」という不安を抱えていらっしゃいます。
私たちのホームでは、ご入居者のお気持ちを丁寧に伺いながら、リハビリやアクティビティ、“Life Focus”の実践、ユマニチュード®での関わり、さらにはDX機器の活用などを通じて、その方が自分らしい生活を取り戻せるようサポートしています。
◆ ご入居当初の様子
ご紹介する方は、長い闘病生活の中で、ほとんどベッド上で過ごされていました。
お食事や入浴、お手洗いもすべてベッド上で行わざるを得ず、「生活が単調であった」とご本人も振り返っていらっしゃいます。
ご入居直後に記録した24時間の睡眠データが、下の棒グラフです。

青色の部分は「横になっている時間」を示しています。
これにより、ほぼ一日中ベッド上で過ごされていたことがわかります。
◆ ご家族との再会が転機に
当ホームは24時間ご来訪が可能なため、お孫様やひ孫様が保育園の帰りなどに立ち寄られることもありました。
「もっと一緒に過ごしたい」というご本人のお声をきっかけに、スタッフは「車椅子に乗れるようになれば、きっとお孫様方も喜ばれますね」とお声かけしながら、少しずつ意欲を引き出していきました。
無理を強いることはせず、いつでも「今日はやめておきましょう」とお断りいただける雰囲気を大切にしながら、福祉用具を工夫して痛みなく車椅子に移れるよう支援を続けました。
また、作業療法士を中心に、ホームでのイベントや特別食を楽しみにしていただけるよう話題を提供するなどして、お身体を動かすきっかけを重ねていきました。
◆ 少しずつ広がる生活の幅
1か月半ほど経過したころ、再び計測したデータがこちらです。

青い部分が大きく減り、ベッド上で過ごす時間が短くなったことが分かります。
ご本人はグランドダイニングで皆さまと一緒にお食事をとり、活動的な時間を持てるようになってこられました。
もちろん、まだ“その方らしさ”がすべてかなったとはいえません。
これからも、ご本人の想いに沿った取り組みを続けてまいります。
次回は、その後の変化やさらなる挑戦についてご紹介いたします。
どうぞご期待ください。
※HUMANITUDEおよびユマニチュードの名称、ロゴは、日本およびその他の国における仏国SAS Humanitude社の商標または登録商標です。