2025/05/31
"Life focus"を形にする取り組み ~ただいま、そしておめでとう!~
皆さま、こんにちは。ライフマネージャーのIです。
当ホームの“Life Focus” (LF)を形にする取り組みをご紹介するこのシリーズ。
今回はLFの日を活用し、長年暮らし慣れたご自宅にて、ご入居者とご家族でお誕生日をお祝いし、心温まるひと時を過ごされたケースです。
ご入居者ご夫妻は、かつてご自宅で穏やかな日々を送っていらっしゃいましたが、体調の変化によりホームでの生活を始められました。
当初は新たな環境に戸惑われる様子もありましたが、ご家族の献身的なご訪問、そしてスタッフによる日々のサポートにより、徐々に穏やかな毎日を取り戻していかれました。
そんなある日、奥様から「また自宅へ帰りたいの」とのお声がありました。
そのお気持ちに寄り添いたいと考えた私たちは、ご主人と一緒に一時帰宅できる方法を、ご家族にご相談しました。
ご家族も「ぜひに」と喜んでくださり、そこから一時帰宅に向けた準備が始まりました。
最大の課題は、ご自宅玄関前の4段の階段です。
段差のない場所では歩行が可能なご夫妻ですが、階段昇降には不安がある様子でした。
そこで、作業療法士と連携し、歩行訓練と階段昇降のリハビリを開始。
目標は、安心してご自宅の階段を昇りきることです。


そして迎えた一時帰宅当日。
あいにくの空模様ではありましたが、ご出発前からお二人とも気分が高揚され、足取りも軽やかに見えました。
ご自宅に到着されると、ご夫妻は手すりの支えを借りながら、一段、また一段とゆっくりと、しかし着実に階段を昇っていかれました。
そしてついに、最上段まであがりきることができました!
日々の努力が実を結んだ、感動の瞬間でした。
住み慣れたご自宅に一歩足を踏み入れると、奥様は部屋のあちこちを懐かしそうに眼でたどりながら、
「そうそう、この造りよね。この設計、覚えてるわ!」
と、心弾むような声を上げられました。
ご主人も、以前からお気に入りだった椅子に腰掛け、
「久しぶりだね。本当にこの椅子は座り心地がよくて、いつもここに座ってたことを思い出したよ」
と、満面の笑みを浮かべていらっしゃいました。
その後、数日前に迎えられた奥様のお誕生日を記念し、スタッフからフォトプレートをプレゼントさせていただきました。
「わぁ、すごい!ありがとう」
「思い出として大切にさせてもらうよ」
そのお言葉に、スタッフも思わず胸を熱くしました。
ご家族とともに記念撮影も行い、和やかな雰囲気の中でのお食事会は、まさに笑顔あふれるひとときとなりました。


「また、自宅へ帰りたいわ」
「また、帰ってきてほしい」
そんなご入居者とご家族それぞれのお気持ちが重なり合い、これからの生活への新たな希望と目標が生まれました。
私たちは、これからもLFの実践を通じて、ご入居者お一人おひとりのかけがえのない思いに寄り添いながら、その方らしい生活をお過ごしいただけるよう努めてまいります。
次回もお楽しみに!