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ソナーレ杉並上井草の
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Staff Blog

"Life Focus"を形にする取り組み ~再び歩み出すために~

皆さま、こんにちは。
いつもソナーレ杉並上井草のブログをご覧いただきありがとうございます。
作業療法士のMです。

早速ですが、私がこの仕事に就いた当初は、病院で勤務していました。
当時は、退院後に老人ホームへ入居される方というと、「ご自宅での生活が難しくなった方」や「重度の後遺症があり、回復の見込みが少ない方」などが多い、という印象を抱いていました。

しかし、実際に老人ホームでの仕事に携わるようになってから、その印象は大きく変わりました。
この1年間だけでも、ご入居時には離床もままならない状態だった方が、ご自身の力で歩けるようになるまで回復されたという例もあり、ホームで過ごされるなかで活力を取り戻していくご入居者が多くいらっしゃるのが実情です。

もちろん、すべての方が同じように回復されるわけではありませんが、今回は最近病院からホームにお戻りになったご入居者の様子を、一例としてご紹介いたします。

こちらのご入居者は、先月ご体調を崩して入院され、先日ホーム生活に復帰されました。
上の写真は、退院後はじめて離床し、屋上のガーデンテラスに出られた時の一枚です。

ご退院当初は離床も困難な状態で、お身体への負担を軽減するため、ベッドではエアーマットを使用されていました。

この日は久しぶりの離床ということもあり、ご体調の変化には十分注意しつつ、医師やナーススタッフとも連携しながら慎重に進めました。
結果として、数か月ぶりに外の風に触れていただくことができ、ご本人も大変喜ばれていました。

昨今の医療保険制度の影響もあり、病院では治療が一区切りつくと、比較的早い段階での退院が求められる傾向があります。
その結果、治療は終わっていても、生活のなかでの回復や改善に対する余地を残してホームにご入居されてくる方も増えていると感じています。
こうした方に対し、当ホームの充実した活動スケジュールや、“Life Focus”の実現に向けた多職種での働きかけが、精神的な部分も含め、さまざまな面においての回復につながっていきます。

ソナーレ杉並上井草一日の活動スケジュール

先にご紹介したご入居者も、今では血圧が安定し、ベッドの端に足を下ろして座る姿勢ができることを目標に、毎日リハビリを続けていらっしゃいます。

ご退院後、お身体の状態は大きく変化しましたが、「また歩けるようになりたい」というご本人の強い想いを心の支えに、前向きに取り組まれています。
また、離床を日課とすることで、気分転換や体力の向上もはかっています。

上の写真は、数カ月ぶりにグランドダイニングでおやつを召し上がり、仲の良いご入居者との再会を果たしたときの様子です。
久しぶりに交わす笑顔と言葉には、心に沁みるような深い喜びが感じられました。

もちろん、回復への道のりは始まったばかりで、まだまだ越えなければならない壁もありますが、これから先も、“Life Focus”の取り組みを通じて多職種が連携し、小さくとも着実な前進を積み重ねていかれるよう努めてまいります。

価値観や背景はお一人おひとり異なりますが、どなたにも『その方らしい暮らし』があると、私たちは信じています。
本ブログが、ご退院後の生活を老人ホームで、とお考えの皆さまの一助となれば幸いです。