2025/06/18
今日の一歩に、花々の力を借りて
こんにちは、作業療法士のNです。
今回は、ホームでの歩行練習の様子を少しご紹介いたします。
「また自分の足で歩きたい」
そんな気持ちをお持ちでも、歩行に対して不安が強く、なかなか一歩が踏み出せない方もいらっしゃいます。私たちは、そうした方々に寄り添いながら、歩くことに“目的”や“楽しみ”を見つけていただけるよう、日々工夫を重ねています。
たとえば―。
週に一度、エントランスロビーに飾られた生け込みを観に行くこと。
当ホームでは、季節に合わせてお花が毎週入れ替わるため、楽しみにしていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。

歩行訓練に際し
「歩けるかしら?自信がないわ。やらないでおこうかな」
と、おっしゃる方に
「エントランスのお花、今週も、とても素敵ですよ。ご一緒に観に行かれませんか?」
そうお誘いすると
「あら、それはいいわね。今回はどんな感じかしら、楽しみだわ」
と積極的になる方もいらっしゃいます。
お花を鑑賞されるときは、自然に視線が上がって背すじが伸びます。
また、香りを嗅ぐ時は屈む姿勢、さらに、お花を愛でている間は、いつも以上に長く立ち姿勢を保つことができます。
楽しみながら、理想のリハビリが実践できる、というわけです。


こうした取り組みを、半年ほど継続されている方もいらして、ケアスタッフと連携しながら、リハビリの場以外でも歩く頻度が少しずつ増えてきています。
リハビリは、ただ機能を回復するためのものではありません。
その方が「やってみたい」と思う気持ちを、そっと引き出すことから始まるものだと、改めて感じています。
“その方らしい生活”につながる、小さな一歩。
これからも、ご入居者の好きなこと、ご興味のあることを大切にしながら、心身の健康づくりをサポートしてまいります。
次回も、どうぞお楽しみに!